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2004年~2007年 29歳~32歳の情念ノート

仕事


僕は社員が17人ばかしいる中小企業な造園会社の社員なわけですが、植木職人であり、社員であるわけです。
職人というものは社員である前に職人であるべきだと思っています。会社の方針には社員である以上従いますし、与えられた条件の中でベストの仕事をしますが、職人としての誇りを持って仕事をしたいと考えています。職人としての誇り、それはたんてきにいえば「技術」ではなかろかと。


他の職種のことはよくわかりませんが、植木職人というものは自主独立の気風が高いと感じます。
庭の手入れも、植栽工事も美と生命をかたち創る一種の芸術であるともいえます。
そういう側面を僕はとても気に入っています。選択肢が無い状況の中でえらんだものとしては上出来であったと今は思います。


とはいえ基本的には3K、きついくさいきたない(だっけ?)そういう仕事です。剪定鋏を持ってチョキチョキやってる姿をイメージされる方には想像がつかないことでしょうが、土や肥料、虫や植物、それはすべて不潔で汚いものですし、重いものをかかえたりとか重労働ゆえに汗もいっぱいかきます。汚れて臭いです。しかしそういう作業を嫌っていては仕事になりません。役立たずです。汚い作業の末にきれいなものはできあがるのです。まあスマートに服を汚さないで仕事できる人もいるのですが、僕はまだ未熟なので作業服はいつもどろどろです。作業服は汚すものなのでべつにいいじゃねえかという方針です。


まーでもきつい仕事の割りに給料は安いです。というか、きつい仕事だからこそ給料は安いのかもしれません。年功序列な給料制さえあるんだかないんだか。管理職でない人間は低い給料のまま一生をすごします。きっと社会的に能力と作業に応じた給料の相場というのはそうなってるんでしょう。そういうことは普段あまり考えないようにしていますが、たまに憤懣やるせねーってときもあります。あ、いまがそのときかも。


しかしいまの時期、10月から年末にかけてというのは会社員である植木職人にとっては会社外の個人的アルバイトでお金を稼げるときであったりします。庭の手入れというものはこの時期に集中して行なわれるものだからです。正月前までに庭をきれいにしておきたいということで、習慣的にこの時期に手入れを行なう家や会社が多いのです。この時期にやると、木があまり成長しないので春まで綺麗な状態のままでいられるからっつーのもあります。
まあ、バイトやらないひとはやらないんですけどね。ちなみに植木屋って5・6人でやってる小さいところとか、個人でやってるようなとこも多いんで、そういうところは公共事業の仕事とかも請けにくいんで、この時期が儲け時なのです。


それでまあ、僕も親戚の家とか、別口のバイト先のお店とか知人の家とか、ちょこっとバイト先を確保したりはしてたんですが、今年は、会社を通じて出張して手伝いに行ったS造園というとこの社長さんから個人的にアルバイトで来てくれつって頼まれまして、その仕事に今年一杯、日曜ごとに駆り出されてしまいそうなかんじです。
わりと、日当の条件がよかったりしたんで、・・・僕個人でやるときは日当一万三千円でお受けしてます。このS造園さんは1万五千円出してくれるということで・・・。なにか多分出張したときの仕事ぶりを認めてくれたんだと思うんで、あとあっちの手が足りないからっつーのももちろんあるんですが、ほいほいとアルバイトに精を出しているという状況です。


そんでまあ、そこの社長つーのが定年後に植木屋はじめたっていう80くらいのじいさんなんですが、なんか僕からみてぜんぜん仕事できねーひとだったりして・・・。とろとろ段取り悪く休憩ばかりして、手入れの仕方もでたらめ。素人かよ!ってありさま。社長だからなのか?じじいだからなのか?にしてもあきれるありさま。
うちの会社って案外レベル高かったんだな、とか思った。いままで荒い仕事ばっかりさせやがってとか思ってたけど、ここのいいかげんな仕事ぶりに比較すると随分ましだぜ。


まあでもお金になるから行くけど。


でもこの会社には来てくれつって言われても絶対就職してやらん。
まあ、今の会社でもまだまだ修行できそうだなとも思った。
自分で責任もってやってみたり、ある程度いろいろ仕事できるようになってくると自分のまだまだ未熟なところも見えてくる。
いつか独立して・・・とまでは甲斐性もないから思わんけど、自信もって移籍できるかんじにはなりたい。もっと条件の良い会社に。



来年は資格試験の日程を間違えないように受けます。







※ミクシ日記10月30日より転載