Unbalance + Automatic ※ and I love you

2004年~2007年 29歳~32歳の情念ノート

クリスマスイブには悪夢と共に歩み



merry・・・・・・メリー・・・メリ・・・メリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリリメリメメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメメリメリメリメリメリメリメリメリっっっ


と、おれの背骨から分離していく黒き異形。


中途半端な月夜にはばたく翼手。


街には幸せそうなカップルや家族。クリスマスソングの永遠のリフレイン。輝くイルミネーション。ディナーのあとにホテルにしけこむ男女。


おれはくすりと笑いながら翼から麟粉を煙らせる。
ゾンビパウダーはまちで浮かれる人間たちにはらはらと降りかかり、


やつらはすぐに死に、蘇る。ゾンビとなって。


お互いはお互いを噛み殺し引きちぎり血肉をすする。迸る内臓。飛び散る脳漿。骨の砕ける音、鼻を突く腐臭。意味のわからない叫び声。声にならない悲鳴。どすぐろい液体が路上をぴちゃぴちゃと覆いはじめる。
共食いに飽きたやつらは、デパートへ、商店街へ、コンビニへ、ホテルへ、サンタクロースを待つ子どもたちの家へ。いまだ生ける新鮮な血肉を求め歩む。
よろりよろり、ひたりひたりと。


さあ、聖者の行進だ。


導くのはおれ。


ゾンビパウダーはおれにも効き目があるらしく、まもなく翼は腐れ落ち、やつらとおなじにおれもなるだろう。
そのときおれは、はじめて自由になれる。




子羊にじごくのかみの祝福を。アーメン。